脾臓の腫瘍と腹腔内出血
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何度も吐いてしまい、ぐったりしてきたとのことで来院されたミニチュアダックスさんです。
検査の結果、脾臓にしこりがあり、出血していることがわかりました。
お腹の中でどんどん出血が続けば、命に関わる緊急事態です。
症状
お腹が張ってきた、舌や歯茎など粘膜の色が青白い・薄くなってきた、元気がない、食欲がない、嘔吐する、お腹を痛がる、ぐったりしてきた、など
治療
全身麻酔に向けて状態の改善を図ったのち、腫瘤ごと脾臓を摘出しました。
お腹の中には血液が溜まっており、脾臓のしこりは出血を止めるために大網という膜に覆われていました。
この子の場合は出血量も少なく、術前検査での凝固能も維持されていたため必要ありませんでしたが、時には輸血が必要となることがあります。
術後は治療を継続して数日入院しましたが、とても元気に退院することができました。
なお、摘出した脾臓の病理検査では血腫という診断でした。
脾臓のしこりは約50%が悪性腫瘍とされており、さらにその内の約50%が血管肉腫という転移や播種のみられる腫瘍です。
この場合には術後に抗癌剤も考慮しますが、積極的な治療をしたとしても残された時間は残念ながら長くはありません。この子のように血腫という場合には転移の心配もなく、術後の予後は良好です。
しかし腫瘍であってもそうでなくても、手術をしなければお腹の中に大出血の元を抱えているため、常に急変のリスクが伴います。
この子の場合は出血し、ぐったりして当院に来院し、初めて脾臓の腫瘤が発見されました。
幸いにも出血量は少なく、手術も間に合い、病理の結果も良好なものでしたが、どこか一歩が異なっていれば命に関わっていた病態です。
これだけの病態を抱えていてもはっきりした症状がみられないことも多く、自宅でしっかり様子を見て頂いていても気付けない事がほとんどです。
お腹の中の腫瘍の早期発見や、リスクの予測のためにも、お年をとってきた子の健康診断もご検討下さい。
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当院は飼い主様とペットに親しまれ信頼されるホームドクターを目指しております。
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